★「暗い未来の兆しがすでに現れている」

 これは、「荒野の声」のメンバーであり「イラク平和チーム」と行を共にしているジェフ・ガンツェルからのメールである。発信日時は、現地時間 3 月 22 日 22 時 23 分となっている。

親愛なる友人たちよ

私がこれを書いているバグダードは、比較的平穏です。きょう、「イラク平和チーム」のウェイド・ハドソンが、運転手と政府の担当者とともに、バグダード周辺を少しクルマでまわる機会がありました。まだ煙が立っている外務省ビルの脇を通り過ぎ、住宅地域へ行きました。彼の報告によると、広い通りの真ん中に、爆弾による 8 から 12 フィートの深さの穴ができていたとのことです。道路は一方通行になっていたとか。近所には小さな家がたくさんあるが、前面の窓は全部砕け散っていて、この穴をつくった爆風にやられたと考えられるとも報告しています。

2、3 時間前、私は、バグダードの中心部にあるアル・ファナル・ホテルで、キャシー・ケリーと話をしました。明日になったら、出かけていって、子どもたちがたくさんいるにちがいない病院をいくつか訪ねるのだと、彼女は言っていました。今後に、恐ろしいことが待ち受けているようです。

トミー・フランク将軍は、きょう早く、「歴史上いまだかつてない軍事行動、つまり衝撃と、驚きと、柔軟さ、かつて見なかった規模での正確な武器弾薬の使用、そして圧倒的な軍事力の適用とを特徴とする作戦」を約束しましたが、それは、暗うつな予測を軽減してくれるものではありません。

イラク第二の都市バスラの戦闘について、未確認のものでも、情報を得ようと努めています。残念ながら、現在、「イラク平和チーム」はバグダード以外にはいません。バスラにいる友人たちにコンタクトをとろうとしていますが、あまりうまくいっていません。たった二度電話がつながりましたが、1 分もしないうちに切れてしまいました。

この戦争は、不確かなことが、急激に増大しています。クエートとの国境地帯で最近「解放」された町サフワンにいる『ガーディアン』紙の記者は意図せずに、今後の数週間、数カ月、あるいは数年間のイラクに通じる窓を提供してくれているかもしれません。そのレポートを以下に示します。

「きのうの午後、ぼろ切れや家具が散乱する、イラクの町サフワンの脇道を一台のトラックが走っていた。戦利品かなにか貴重品か。死と歓喜と略奪の、この日、それがなにであるかを知るのはむずかしい。

「海兵隊の兵士は多くない。彼らは食物も、医薬品も、命令さえ携行していなかった。一日中、数百台の装甲車が町を蹂躙した。その間、クルマは走りつづけ、略奪がつづいた。政府機関のビルがかっこうの標的になっているようであった。学校から本を運び出す人々は、恥ずかしそうに顔を覆っていた。校長のトーフィク・モハメドは、はじめ自分の学校が強奪に遭うことを拒んだが、後には認めた。『あんたらの軍が入ってきたのでこうなった。どの軍隊でも、やってくれば、町は混乱に陥る。これからが心配だ。私たちはとても恐れている』」(米英軍の突入によって、イラクの都市が混乱に陥り、略奪、強奪が横行する無法状態が到来する危惧が、非常に控えめな調子で語られているようである。)

ちょうど一ヶ月前、やはりサフワンで、「イラク平和チーム」は、アメリカ軍の兵士たちに向けた公開書簡を発表しました。数マイル離れた地点で、10 万近い兵士たちが侵攻の準備をしていることを念頭に、この書簡を記者団に対して読み上げ、異常な興奮が支配している時に少しでも事態をはっきりさせようと試みたのです。

「アメリカ軍の兵士および海兵のみなさんへ。わたしたちがみなさんひとりひとりについて、恐ろしい戦争に参加することなしに、家族と愛する者たちのもとへ早急に帰れるように祈ります。不安と危険に満ちた状況にみなさんは置かれていると、私たちは認識しています。みなさんがここにいることについての責任は、私たちにもあります。アメリカにおいて、私たちは実際、自らを統治することなく、戦争と平和の問題を多数の利益ではなく少数のそれによって決定するわずかな者たちに支配されています。私たちは、民主主義が適切に行われなかったために、恐ろしい苦境にこれまで何度も見舞われてきましたし、現在、帝国の悲劇的な戦争と表現するしかない争いの瀬戸際にまたも立たされています」

今日私たちは、数百万の人々がたゆまぬ努力で阻止しようとしていた衝突のなかに、首までつかってしまいました。戦争遂行者たちは、「歴史上かつてない軍事行動」の脅しをかけていますが、こうした保証に対峙することを続けようではありませんか。

[2003.3.24]


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