| ★バグダードの市民生活は瓦解寸前 |
本サイトですでにお馴染みの「荒野の声」。1990 年代以来、アメリカによるイラク経済制裁に反対しつづけ、今回のイラク攻撃に際しては、「イラク平和チーム」の中核として、キャシー・ケリー、ラムジ・キシアら、中心メンバーがバグダードに滞在しつづけた。
戦争が「終わった」いま、彼らは何をし、現在の占領状態をどう見ているか。しばらく音信がなかったが、4 月 16 日付けのメールが到着している。書き手はラムジ・キシアである。彼はムスリム・アメリカンの平和活動家で、「荒野の声」には
1998 年以来参加している。
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「荒野の声」の現地代表団は、はじめてアメリカ軍の軍民活動センター(CMOC)と接触を持った。バグダードの市民が直面している生活危機について話し合うためである。以下、CMOC
との会談についてのレポートである。
ゴミの収集は一ヶ月行われていない。電気、衛生、通信、全てが重大な損傷を蒙ったままである。南部のバスラで、コレラの集団発生が報じられ、中心部のヒラでも患者が出たという噂がある。糖尿病やハイパーテンションの治療薬はもうなくなってしまった。品質管理のための道具もシステムもないので、血液汚染による災禍の可能性がある。
食糧配給システムは完全に崩壊した。ただちに基本サービスを再開しないと、市民の生活が壊滅的な打撃を受けることになるであろう。
戦前に、国防総省は、人道支援のために国連および NGO との連携組織を、カタール、クエート、ヨルダンにいくつかつくったはずだが、それらの関係者はバグダードに姿を見せていない。さらに、CMOCでは、これら連携組織の存在すら知らないらしい。
16日になってやっと、CMOC は、基本サービスのための計画づくりをはじめることを明らかにした。しかし、たとえ計画ができあがっても、情報を共有できるのは、アメリカ軍との共同作業に合意する組織だけである。中立的な立場にとどまろうとするグループは排除され、したがって、アメリカ軍が全てをコントロールすることになる。
CMOC は、数日をかけて、病院、発電所、水道施設などをチェックして、どの程度必要に応じられるかを調べたそうである。イラクでは、バグダードの陥落以前も以後も活動していた国連などの国際組織があるのだが、アメリカ軍のだれにも問い合わせようとはしなかった。WHO
も赤十字も何年にもわたってイラクで活動してきた。国連の開発プログラムは、96 年以来電力の回復に努めてきた。民間のインフラについての情報は秘密でもなんでもない。国防総省が知らないだけだ。なぜだれもこの情報を求めなかったのか。なぜ回復プランが戦争前に練られなかったのか。
ヒラの町で、コレラが発生したという噂を聞かされた CMOC は、ヒラとはバグダードのどのあたりかと訊ねてきた。ヒラがバグダードから南へ 1 時間の大きな町だということを知らないのである!
CMOC にとってもっとも大きな問題は、民間のシステムを立ち上げ、運営するための地域活動家がいないことである。さまざまな努力をコーディネートする本体がないと同様に、町中に散らばるほとんどが無人の障害物が人々が職場に出かけるのを妨げている状況がわかっていないようであった。
ただちにはっきりさせなくてはならない問題。
-- 軍隊とつながりのないコーディネート組織が、イラクで活動する、あるいは活動することを目指す全ての団体の行動を導くためにつくられなくてはいけない。
-- 病院などの民間センターでは、幹部たちが、前政権の崩壊とともに逃亡してしまっている。緊急の決定をしなくてはならない場合でも、一般のスタッフはだれが決定権を持っているかわからずに右往左往している。この「権力の真空状態」をただちに埋めるために、前政権によって腐敗させられていない、決定機構を新たにつくらなくてはいけない。
-- アメリカの軍部は、この戦争によってひきおこされる市民生活の危機について、準備をしていないし、そうすることに関心を持たないことがはっきりしている。イラク人が
12 年にわたる経済制裁と戦争によってつくりだされた諸問題に対処するために、自らの政府を創り出すまで、国際社会が介入して、国連の手による問題処理を再開させなくてはいけない。
時間はあまりない。
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[2003.4.21.]