| ★Taking Pictures
at JR Takasaki Station
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しばらく行かないと、駅が変わっている。ここ数年、とりわけJR駅で、同様の経験をしばしばする。かつて駅ビル化の時代があったけれど、いまは、駅構内「改革」の時代であるという。これがあの駅? そういう信じられない思いをさせられることがしばしばある。
この高崎駅も、駅ビルになったのは、上越新幹線が開業したときだそうだから、すでに20年以上前のことになる。その間に、数回は利用しているはずである。高崎はダルマが有名で、ここで下車して、少林山達磨寺へ出かけたこともある。群馬出身歴代首相の寄進ダルマを見上げたものである。
今年になって出かけると、構内のイメージがちがっている。昨年改装したらしい。JRに限らず、高崎以外の群馬の駅をいくつか、館林、前橋、桐生、伊勢崎、太田などを思い浮かべてみたけれど、どれともちがっている。関東近県の駅のなかでも、新しくなった高崎駅構内は異色なのではないか。
とりわけ、2階にある改札口を入って、在来線や新幹線(直通の改札口も別に新設されている)のホームへ分岐していく通路部分に魅かれる。そこは「見える」と「流れる」、つまりどこまでも見える空間を人が流れていく感じが心地よいのである。
自分の目だけでは十分でない気がしたので、フィルムカメラを買い求め、レンズの視野のなかのシーンを、移動しながら撮影した。
まず、改札口を入ると、正面に、各ホームを示す矢印、その奥の壁の、時刻表と発車時刻の電光表示とがひとまとめで視野に入る。
改札口の右手、ガラス張りの向こうに有人改札口のあるあたりで、カメラを構えた。すると、いま入ってきたばかりの自動改札口の向こうに、隣り合ったベーカリーカフェの店内が素通しの窓の向こうに見通せる。窓の手前の天窓からは陽光が降り注いでいた。
場所を移動せずに、カメラだけを振ると、在来線ホーム行きのエスカレーターとエレベーター、つづいては、駅弁の売店とラーメン店の向こうにある、新幹線の入り口を示すグリーンの表示板までが、ほとんど180度の広角でとらえられる。
この「一望感」が心地よい。
新幹線へ向かう手前に、トイレへの通路が伸びている。この部分は片側が大きな透明ガラス窓になっていて、行き帰りに空が眺められる。
この駅にある在来線の「島」は、三ヶ所である。番線では、2・3・4、5・6、それに7・8となる。それぞれの「島」との間を上下するエレベーターの箱が三基、通路上に並んでいる。通路スペースをいっぱいにとってあり、閉塞感がない。
いちばんの眺めは通路部分を通り抜け、在来線のはずれあたりで振り返ったときのものであろう。右手にコンビニ風の大型キオスクがある。店の前面に遮へい物がなく、剥き出しの棚が通路に面している。左手の壁沿いには、このキオスクに相対するようにして木造りの縁台風長椅子が並んで、列車待ちの乗客が座っている。
カメラを覗くと、右のキオスクと左の待合客の間の、広々とした床が白く浮き上がって見える。
自分も長椅子に座ってみる。と、自然に壁に寄り掛かる体勢になる。目の前を通過していく人たちの歩調が伸びやかなのに気づく。人でも他の動物でも、左右から壁が迫っているところでは、つい歩調を速めるが、これだけゆったりとしていれば、自然に気持ちも歩みもゆるやかになるのであろう。
午前3時を少し過ぎたころであった。夕方のラッシュ時になれば、通路をのんびり見渡している余裕などなくなるのかもしれない。しかし、一日の何時間かでも、気持ちのほぐれるときのある駅は、頼もしい。
★2006.6.12.
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