★モノレールで羽田空港へ行った頃のこと
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以前、京浜急行の羽田空港行がなかったころ。
日本橋、新橋、浜松町と3度乗り換え、最後はモノレールで、空港に運ばれた。
それが当時、乗り換え案内ソフトに教えられたルートであった。
ゆうづうのきかないやつと思いながら、東京を離れる儀式としては最高。
ドア際に立ち、外の風景をながめていると、東京が勝手にあとずさりする。
残り惜しい気持ちがしてくる。
運河、競馬場、埠頭、いつもは出会わない風景に出会う。
それらが、いかにも残り惜しそうな表情をしている気がする。
モノレールの地下は。京浜急行のそれみたいに、がさつではない。
情がこもっていて、東京に留守にすることを、自分に納得させられる。
こうして、飛行機に乗って出かけて、また飛行機で戻ってくる。
今度は、まず東京が近づいてくる予感があり、やがて、ほんとうに戻る。
その過程が、いつもいつも楽しい。
自分で勝手にドラマをつくりあげているのであろう。
それでいっこうにかまわない。
日が暮れかかる春先とか秋の半ばだったら、言うことなし。
雨は降っているほうがいいけれど、ざあざあ降りは困る。
雨のほうで気乗りがしないみたいに、さらさらと落ちてくるくらいがいい。
遠くの景色は次第に見えにくくなり、看板やビルの室内に明かりが入る。
ふだんでも煮えきらないい曖昧な街、東京が、いっそう曖昧になっていく。
浜松町に着くまでには、東京に戻った自分を確かめ終えている。
いまは、こうした手続きができなくなったのが残念な気がする。
むりやりモノレールに乗ろうと思うほどではないけれど。
2008.6.24.


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