
★幕張で垣間見る宇宙

「メッセ」のイヴェントは明日がオープン。
「千葉ロッテマリーンズ」の試合もきょうはない。
谷間の幕張を歩くのは気持ちがいい。
真新しい高層ビルをつなぐ歩道橋を渡る。
すれちがう人がほとんどいない。
地上を見下すと、通行人がまばらに散らばっている。
建物の巨大、人間の卑小が誇張されている。
コンピュータ処理された未来都市の一部かと錯覚する。
バナナのなかのバクテリアみたい。
人はみな、途方もなく大きな宇宙の熟成に参加している。
そう納得すれば、勇気が湧いてくる。
風が次第に強まり、海が近いことを告げる。
防風林の間を行く砂の道を抜けると、目の前を水平線が横切っている。
はるか前方の砂浜に面して、ベンチがひとつ。
女性らしい人が、ひとり座り海を眺めている。
絵の中の風景みたい。
ぼくは、水平線と平行に走る道を歩きはじめる。
強い海風に綿帽子を引きちぎられてしまったタンポポの茎。
左手の土手にいくつもいくつも揺れている。
風が真正面から吹きつける。
この先のどこかに目指すなにかがあるわけではない。
だから、風に逆らって進むこともないのである。
こうすると気持ちが段々に高揚してくる。
それがいい。
振り向く。
ベンチの人は、さっきと同じ姿勢で、まだ座っているらしい。
他に人の姿はない。
海には船の影もない。
曇り空。
日の光が射してくる気配さえない。
広々とした駐車場が前方に。
そこにクルマの一台も認められない。
黒い小さな物体がひとつ。
自転車か。
あそこまで歩こう。
ぼくは自分に目標というものを与える。
★2008.8.25.

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