郊外電車で行く散歩
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散歩のつもりで遠くへ出かける、最高の休日。
東京の外へ出れば、遠くに来た気がさっそくする。
いつもの布靴で、ふらふらと電車に乗る。
読むつもりで読んでいなかった本を一冊。
旅の友。
『いくたびか、アジアの街を通りすぎ』が、この日の旅の友。
車窓を過ぎゆく家々の上空に、熱帯アジアの幻影が浮かぶ。
ハッピーとは、こういうときの単語だと思う。
郊外電車を終点で降りる。
浜をあてもなく歩く。
砂の上に座って、本の続きを読む。
ゆっくりと、ゆっくりと。
ぼくはいったいどこにいるのであろう。
陽が陰りはじめて、立ち上がり、来た道を戻りかける。
この海辺には、以前にも来ているのを思い出す。
野趣あふれるレストランがあることも。
グリンピースのスープがうまい。
でもどこだったか、あの店。
めんどくさいな、もう。
闇に包まれる、他人の街を通りすぎる。
人けのまばらな夜の駅から、上りの電車に乗る。
残り少なくなった本のページを繰るうち、居眠り、目覚める。
ぼくは、ぼくの街へ帰っていく。
次はいつ行こうか。
どこへ?
頭の隅で、もう考えはじめている。



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