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著者=高野 傳三 編集・発行=WAVEtheFLAG 発行日=2003年12月1日 文字数=37,424文字 定価=400円 |
日本に本社がある某メーカーの現地法人経営者が、祖国の現在に苦言を呈し、日本の今後に提言する。バブル経済から墜落し、もがき苦しみながら浮上しようとしている日本の「日はまた昇る」を信じて、そのための方策と心構えとを説いてやまない。
このテキスト『ロンドン駐在員、祖国日本へ一筆啓上』は、当サイト WAVEtheFLAG に、2001 年以来好評連載中の『ロンドン発/日本本社は「現地」に学べ』の1回から 10 回までの集大成である。
| 目 次 |
1 「現地」とは何ぞや? |
02 現地会社はグローバルスタンダードか? 04 現地会社はボトムアップか? 06 現地会社の危機管理 08 お雇いガイジンの総理大臣はいかが? 10 海外ボケと国内ボケ |
| 本文の書きだし部分・抜粋 |
言葉にもはやり、すたりがある。かつて「しつけ、みだしなみ」は日常語だったが、現代日本では学校の先生でさえ校内暴力をおそれて、めったに口にしない。「現地」という言葉は、たとえば、かつて、県庁のお役人がゴム長履きで田舎に建てられた役場の建物調査にでむいた際、「現地現場」へ行ってきたなどとの意味で使われ日常、ヒンパンに出てくるコトバではなかった。
しかし、日本の会社が海外に駐在員事務所、支店、現地法人の販社、工場、物流基地をもつよ うになった昨今、会社内で「現地」がしきりにつかわれている。現地生産、現地販売網、現地採用、現地通貨、現地調達、現地感覚、はたまた現地妻など、いろいろある。
これだけ世界が近く、狭くなった昨今では、これらの海外拠点は会社の通常業務の延長で今や珍しくも何ともない。日本の本社はこれら海外に展開している 自社の出先を正式には現地法人、俗には現地会社と呼び、そこで働く非日本人達を現地従業員またはゲンチ・スタッフと呼びならわしている。どうして、今、「現地」「現地人」なのか? 会社業務の世界化が一般的になり、その延長として進出先でのゲンチ化、ローカル化が日常業務化したからなのか?
戦前、彼我をくべつする際、日本を内地または本土といい、非日本地域を外地または外国と呼んだ。外地には網走番外地で表されるように、未知の国、化外の地、知らないから、おそろしい所というニュアンスがあった。そこに住んでいるか、あるいは、そこから豊葦原の瑞穂の国に来る人間はガイジンと呼ばれ、ちょっぴり憧れもあるが、よく知らないからコワイ人間と思われてきた。
ところが昨今、現地に進出した我が大和男子(ナデシコもいるが)は昔流にいえば、外地でガイジンを相手として日々、商売したり、いっしょにモノを作ったり、ヒルメシを食ったり、延々と会議したりしている。大変な飛躍、いや、進歩ではないか! 日本の会社そのものが外地に出て、日本の駐在員自身が現地ではガイジンなのだから、進出した会社をもう外地会社とは呼べないし、そこで雇用した現地人をもうガイジンと呼べない。だから現地会社、現地人なのだ。外地が現地に昇格(?)したのだ。
こんにち、これら日系現地法人は世界中に散在し、あるものは会社の規模から売りあげ、利益まで日本本社を超えるものまで現われているときく。しかし、日本本社の現地出先に対する態度や姿勢は、少数の例外をのぞいて、高度成長期頃と、あまり変わっていない。つまり、国内生産分の余剰処理、在庫調整、あるいは、皆が設置するから我が社もの横並び意識の延長線上に依然としてあると感じるのは現地で奉職する者のヒガミであろうか?……
| 著者・高野傳三のこと |
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イギリスにある日系現地法人に勤務する中年過ぎの駐在員。赴任地がオーストラリア、アメリカ、イギリスとアングロサクソン系だったので、特に彼等の文化に興味を持っている。趣味は DIY。高野傳三はペンネーム。 この作品の著作権はすべて著者に属します。購入したファイル・コンテンツは個人利用にとどめてください。コピーして第三者に渡す、ウェブ上に掲載する、プリントアウトして不特定多数に配るなどは、ご遠慮ください。 |
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