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大塚、それはナウなヤングのトレンディースポット! 若者を池袋に奪われ、年寄りを巣鴨に奪われ、山手線のつなぎ役に徹する町・大塚。ちょっと活気がないけどちょっと暗い、それでいてあか抜けない大塚。
 そんなへぼい町に生まれ育って幾星霜、性懲りもなく住み続ける生粋の大塚人が、21世紀の市民生活に絶対役立たない、小さくて手薄な大塚限定情報をお届けします。
『南大塚萬重宝』は、大塚が空爆に遭わない限り続く……かも知れないウェブマガジンか?

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お地蔵さんだってリゾートしたい
大塚駅が子供で賑わう季節

タイトル

荒川線の大塚駅前から向原電停に行く坂道のフェンス前には、沿線住民の尽力で咲くバラの花が美しい。バラに限らず様々な草木が植えられているが、枝がフェンスに絡みつく風景も散見できる。中には根を切り取り枝をことごとく剪定した結果、幹だけが空中に浮く感じでフェンスに艶めかしく巻き付いていたりする。これはちょっとしたオブジェとして見ものである。

南口、上野公園行きのバス停の斜前にあった焼き肉屋があっけなく撤退し、いきなり『日高屋』が登場した。これで北口商店街に続き、南北大塚を制覇したことになる。南口には『餃子の王将』という人気の強敵がいるが、焼き肉屋が出来るにあたっても一悶着あった曰く付きの物件をどこまで活かせるか、チェーン店のお手並み拝見といこう。
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大塚病院横にある都営アパートの裏に、ステンドガラスが綺麗な喫茶店がある。『cafe GA』とは書いてあるものの、店内を窺い見ることもできず、どこかオフィスか工房のような外観を持つ店だ。ふと脇を見ると「ステンドグラス教室」というプレートがかかっている。しかも朝7時開店とやけに早朝営業で、謎と興味は深まるばかり。

この謎の喫茶店から迷路のような細道を抜けると、いきなり妙に静かな住宅街に出る。ゆったりした車道が真っ直ぐに続き、両脇にビルらしき建物は殆どない。ここが大塚周辺で一番のお屋敷町。広い敷地に新旧和洋の邸宅が並び、中には自宅をライトアップする家まである。駅周辺とは次元の違う生活感に、豊島区でなく文京区であることを再認識。
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見出し
雑司ヶ谷の茗荷屋に結成した彰義隊及旗本及諸藩の隊士が上野の戦いで官軍に敗れ戦いながら逃亡せる途中この付近に物故したる隊士達の地としてここに地蔵尊を建立し奉る

 川越街道が春日通りと名を変える坂道を挟んで、此方南大塚から彼方東池袋を眺めれば、『フーデックス』と『たじま』二軒のスーパーが、いつ果てるともなく24時間戦い続けている。ふたつのスーパーの間の道は歩くほどに細くなりながら、文京区大塚の坂下通りに向かって急降下していく。細道が抜け道化する手前に、小さなお地蔵様がある。ビルの敷地内だがお詣り出来る風情を残すお姿は、春日通りから見て左向き、斜前にある町会の御輿倉を守るかの如く立っている。

 その台座に、冒頭の言葉が刻まれていた。まさかこの地が彰義隊と関わりがあるとは思わなかった。だが彰義隊が雑司ヶ谷で結成された事実を知れば、あぁ最後は約束の地に向かおうとしていたと想像するに難くない。慶応4年5月15日、上野の山で壮絶な戦いをした人々が、どこまで勝機を意識していたか分からない。だが素人目にも無謀な戦いに奇跡的に勝っていたらと思うと、漂う悲壮感も想像力に変化する。

 生き残った彰義隊の多くは北関東から東北に向かったと言われるが、上野の山から、どうやってここまで来たのだろう? 先ず山下には行かれないだろうから、谷中方向に出たかも知れない。桜木あたりから言問通りを激走し、本郷通りと白山通りを横切って、こんにゃく閻魔を右折して千川通り。どこかで春日通りに出たいが、播磨坂を登るか不忍通りまで直進するかだ。小石川は武家屋敷が多く、同心町もあって、きっと彰義隊贔屓も少なくなかっただろう。傷の手当てや水食料も与えたかも知れない。武士でなくとも、江戸っ子なら彰義隊ファンに決まってる。

 上野から起伏の多い道を、総身に血潮を浴びた隊士達が、必死の形相で駆け抜けたのかと思うと、江戸っ子ならずとも声援を送りたくなる。大塚3丁目で最後の富士山を拝み、新大塚駅から枝分かれする道を池袋方向に左折したところで、その幾人かが力尽きていった……かどうかは分からないが、それがこの地蔵尊なのだ。

 そうか、お地蔵様は横を向いてるんじゃない。上野の山を見ていたんだ。

タイトル
 毎度お馴染み、ライブのご案内です。ウクレレブラザースではなく、結成30年近いロックバンド・ペンギンクラブ久々のライブです。ホーン隊を含む8人編成の爆音ライブが、5月17日(土曜日)、巣鴨のとげ抜き地蔵の先、庚申塚にある『スタジオ・フォー』というスペースで行います。でもまだ日程以上のことが決まっていません。仔細が決まり次第「歩くお正月」にアップいたします。合計年齢約4世紀という、だてに年だけ喰った中年パンクご興味あらば、是非「歩くお正月」をチェックして下さい。

大塚について、こんなことが知りたいというリクエストがあれば、編集部に御一報下さい。
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