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☆冬季オリンピックと一夫多妻
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2002年の冬季オリンピックが開かれているユタ州で、信仰の自由の名の下に、女性と子どもに対する、重大な人権侵害が続いていることが問題になっている。一夫多妻コミュニティで行われている虐待は、アメリカ国内法ばかりでなく、国際法にも違反しているという。虐待の内容は、近親相姦、暴力、チャイルド・マリッジ、人身売買、女性に対する結婚の強要、性的暴行、教育と情報取得の機会の剥奪などである。連邦および州政府は、これらの不法行為に対して、十分な法的強制力を行使していないと非難されている。
「アメリカ市民として、我々は社会進歩の先端にいると信じたい。しかし、アメリカの一夫多妻社会に於ける女性と子どもは、日々に人権を侵されているばかりでなく、侵害者たちは、信仰の自由を楯に自らの行為を正当化している。しかし、いかなる宗教的な信念もこの現実を曲げることはできない」
これは、コロラド州に本拠がある一夫多妻正義プロジェクトのローラ・チャップマン理事長の発言である。
チャップマンは、10年前に、原理派モルモン集団から逃亡してきた女性で、これらのコミュニティに於ける生の「無力化」を熟知している。
「私の家族や周囲の地域社会では当たり前と考えられていた行為を私が話すとかならず、こんなことが21世紀のアメリカで行われているのは信じられないとみなさん言う」
彼女が、ふたりの少女を助けて、一夫多妻の家族による強制された結婚から逃れさせた話は、CBSテレビの報道番組『48アワーズ』で取り上げられた。
「アメリカは他の国に人権の尊重を求めてているが、同じことを自国で実行していないのだ」と、ニューヨーク大ロー・スクールの国際人権クリニックを運営するドナ・サリヴァンは述べている。「ブッシュ政権は、アフガンの女性に対する人権侵害を非難しているけれど、このアメリカで宗教的原理主義者たちが人権を侵しつづけるのを許容しているのはどうしてなのか」
モルモン原理派への反対行動を呼びかける人々は、次ぎのような要求をしている。
ユタ州政府による特別検察官の任命、一夫多妻の社会から逃れてきた女性と子どもにシェルターを用意するとともに無料で訴訟をバックアップすること、一夫多妻関連の虐待を調査するために連邦政府司法省にタスク・フォースを設けること。
▼バックグラウンド・データ
*一夫多妻を容認する宗教グループは、モルモン教原理派教会と呼ばれ、モルモン教会が公式に一夫多妻を禁じた1890年に分派し、今日に至っている。一夫多妻は、ユタ州憲法でも禁じられ、1953年以来、この容疑で起訴された例はなかった。ところが、2001年に至り、トム・グリーンという男が起訴される事件があった。冬季五輪でユタ州に注目が集まっている折りも折り、グリーンが、メディアを通じて一夫多妻を積極的に喧伝し、州当局がこれに手を焼いたためと見られている。
*モルモン原理派の教えは、父親、夫、男性宗教指導者の権威には絶対服従することを求め、一夫多妻は魂の救済に通じるとしている。
*ユタ州の司法当局者や政治家のなかには、一夫多妻問題を「プライヴァシー」として敬遠する場合が多い。一夫多妻にまつわる犯罪をいちいち摘発していたらキリがないと公言する警察関係者もいる。また、一夫多妻の家族たちが、ユタの経済中枢を握っているので、地元政治家は調査に及び腰になる。事実、ユタ州議会は、一夫多妻の家族から逃げてきた女性や子どものためのシェルターに資金援助する法案をたびたび葬ってきた「実績」がある。
*2001年9月9日付けの『ロサンジェルス・タイムス』紙上で、ユタ州議会の民主党議員ロン・アレンが、こんなことを言っている。「もともとモルモン教会は一夫多妻を実践していた。ユタの人口の75パーセントを占めるモルモン教徒たちにとって、これを非難するのはむずかしいことなのだ。私もそのひとりだが、一夫多妻に反対するということは、自分の先祖たちに刃向かうことだから」
*連邦政府の司法省もFBIも、個人や各種団体の訴えに関わらず、今日までこの問題に踏み込んでいない。★
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